コラム
メルマガコラムを編集・加筆しました。
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「大人のニキビのために」 http://bouquet.or.tv/nikibi

不定期発行  Vol.013   (8/18/2005)
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《もくじ》
●コラム【とかちの窓から】
 第12回 『ニキビと抗生物質について』
 (著:とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長 大石先生)
●新着皮膚科情報
 サイトアンケート等で寄せられた皮膚科情報
 東京、新潟、沖縄
●クチコミ情報1
 「抗生剤」(読者さんアンケートより)
●クチコミ情報2
 「冷え性」(読者さんアンケートより)
●クチコミ情報3
 「恋愛?(ホルモンバランス)」(読者さんアンケートより)
●編集後記
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●コラム【とかちの窓から】
 第12回 『ニキビと抗生物質について』
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こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。
お盆も終わりましたが、残暑厳しい折、少しバテ気味の方も多いのではな
いでしょうか?気が早いと言われるかもしれませんが、今年も3分の1を
残すのみとなりました。勉強にお仕事に気分を一新してがんばりましょう。
ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々ですが、このコラムが
皆様のニキビ改善のちょっとしたヒントになれば幸いです。気分はまだ夏
ですが、エアコンの効いたオフィスなどでは空気は乾燥しておりますの
で、お肌の保湿や体調に十分注意して下さい。
とかち美白研究所では、VCローションを購入されている方に会報を毎月
発行しております。そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4ナイ)』とい
うものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)
(1)爪を切っていじらナイ  (2)髪の毛で隠さナイ 
(3)夜更かししナイ (4)乾燥させナイ 
これは私が皮膚科診療を15年やってきた中で非常に重要と思い標語にし
たものです。
今回は、管理人様より御要望があった『ニキビと抗生物質について』につ
いて説明させていただきます。しかしながら、私自身が北海道の田舎の一
開業医でありますので、あまりアップツーデートなお話をすることはでき
ませんし、診療スタイルの違いがあり大変偏りがある内容となってしまっ
ていることをあらかじめお断りいたします。
また『大人のニキビのために』のHPにも参考になる部分がありますので
http://www.bouquet.or.tv/nikibi/Kousei.html )も御覧下さい。
私が院長を勤める『とかち皮膚科』でニキビ治療で行っているのは全て保
険診療です。『とかち美白研究所』でVCローションの販売も行っており
ますが、これは希望者のみで、基本的には敢えて購入を勧めることはして
おりません。
ニキビの保険診療はできることが限られておりますが、抗生物質やビタミ
ン剤の内服、外用剤の併用により症状の改善を比較的安価に行うことがで
きます。私の個人的なスタンスとしては、
(1)ニキビを保険診療の範囲内で、症状によっては抗生物質などの薬剤
   を積極的に使用してある程度改善させる。
(2)その間に診察を通じて症状を見ながらアドバイスをしつつ、患者さ
   んご自身で生活習慣等を見直していただき、薬剤の使用量を抑えて
   いく。
(3)必要があれば御希望に応じてVCローションなどをご使用いただく。
以上を基本としています。
『ニキビ』と『抗生物質がターゲットとするニキビ菌』との関係をまずチ
ェックしましょう。
(1)皮膚の毛穴(毛包)にはニキビ菌とよばれる細菌が常在しています
(常在菌)。これは皮膚の中性脂肪を主な栄養源としています。
(2)ニキビ菌にはリパーゼという酵素があり、中性脂肪を分解して脂肪
酸を作ります。この脂肪酸が炎症を引き起こし、脂腺の発達した脂
腺性毛包にニキビが生じます。
(3)ニキビの炎症が強くなると、ニキビ菌だけでなく、ブドウ球菌など
の他の細菌も増えてきます。これらが入りまじって膿疱や固いしこ
りなどを作ります。強い炎症は瘢痕を残しニキビ跡となります。
ニキビの抗生物質には上記の
(1)、(2)のニキビ菌の働きを主にブロックするものーーーー(A)
(3)のブドウ球菌など他の菌の働きを主にブロックするものーー(B)
の大別して(A)(B)2つの抗生物質があります。
(A)(1)テトラサイクリン系抗生物質:ミノサイクリン(ミノマイシ
ン)・ドキシサイクリン(ビブラマイシン)など
まず、保険適応のある抗生物質の代表である『ミノサイクリン』ですが、
これは有効な薬剤と考えています。ニキビの炎症のもととなるニキビ菌の
増殖を抑えニキビ菌の出す酵素を抑える目的があります。薬の値段も安い
です。
《副作用について》
副作用として有名なのは めまいやカンジダ症です。 めまいは最初感じる
ことが多いですが服用を続けるに従い気にならなくなることも多いようで
す。カンジダ症は数カ月の長期に渡って内服した場合によく女性で認めら
れ、婦人科の先生によく指摘されます。また、忘れていけないのが肝機能
障害です。止むを得ず長期に渡る服用となる場合は定期的な血液検査が不
可欠です。
(A)(2)マクロライド系抗生物質:クラリスロマイシン(クラリス、
   クラリッシッド)、 ルリッドなど
効果が高く、副作用が少ないという声も聞きますが、個人的には使用して
いません。値段の割に効果が少なく、重篤な副作用を経験したことがあり
ます。但し、この仲間のジスロマックという薬は皮膚の比較的深い部分の
感染症に有効と考え使用しています。
(B)(1)セフェム系抗生物質:セフゾン、フロモックスなど
安全性が比較的高く、抗菌力も強いため効果が期待できます。但し耐性菌
があり、種類によっては効果がないものも多く認められます。薬の値段も
手頃です。肝機能障害、胃腸障害が副作用としてあげられます。
(B)(2)キノロン系抗生物質:クラビッド、ガチフロなど
抗菌力が非常に強いため効果が期待できます。但し耐性菌があり、種類に
よっては効果がないものも多く認められます。また、薬の値段が高いので
処方は短期にします。頭痛、眠気などの中枢神経系の副作用、光線過敏、
消炎鎮痛剤との併用時に痙攣が起きることがあり注意が必要です。
『ニキビ治療の抗生物質の理想的な服用』とはどんなものでしょうか?
私が考えていることは以下の通りです。
(1)症状の悪化している時には抗生物質を服用する。その際には抗生物
   質の種類・効果・副作用を十分考慮に入れた上で短期間服用する。
   また、外用剤、ビタミン剤、漢方薬など各種治療法を組み合わせて
   いく。
(2)止むを得ず長期に渡る服用となる場合は、診察に加え定期的な血液
   検査を行う。
(3)症状が改善している間に、診察を通じて症状を見ながらアドバイス
   をしつつ、『4ナイ』を参考に、患者さんご自身で生活習慣等を見
   直していただき、薬剤の使用量を抑える。
   必要があればVCローション等の治療も加える。
(4)症状が安定してきたら、抗生物質の服用はできるだけ控え、様々な
   重要なイベント(例:面接、結婚式、旅行など)があるときに限り
   服用する。
それから、ひとつお願いしたいことがあります。抗生物質による治療に非
常に嫌悪感を持ち、良くないと一方的に決めつけないで頂きたいというこ
とです。上記のように適切に行えば安価で有効な治療となることをご理解
いただきたいのです。
世の中には保険診療しか選択できない人も多いですし、現行の保険診療も
今後現在の3割負担での継続は難しくなるのは確実です。更に踏み込むと
『ニキビ』は軽症医療との判断から、保険診療からはずれてしまう可能性
もあるのです。『前に皮膚科では1500円で塗り薬や飲み薬をもらえた
けど、5000円ではもういけない。』という時代がくるかも知れませ
ん。また、その時には各種税金控除がなくなり、消費税も15%にアップ
し、実際の手取りが3割以上ダウンしている可能性も否定できません。
一皮膚科医としては、上記の『ニキビ治療の抗生物質の理想的な服用』を
肝に銘じて実行していきたいと考えています。
今週のポイントはこんなところでしょうか?
『ニキビ治療では抗生物質による治療は有効な手段です。保険診療では
比較的安価に改善することができます。但し、症状が改善している間に、
「4ナイ」を参考に、自身で生活習慣等を見直し、服用量を減らします。
症状が安定してきたら、面接や結婚式など重要なイベントがあるときに
限り服用するのが理想ですね。止むを得ず服用が長期となる場合は、
定期的な血液検査が必要ですよ。』
次回は、4ナイの最後『乾燥させナイ』について説明してみたいと思いま
す。それでは。
おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。平成7
年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。平成14年とかち
美白研究所開所。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)
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●新着皮膚科情報(サイトアンケート等で寄せられた皮膚科情報)
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◎新都心クリニック/東京都新宿区西新宿
《病院コメント》
本当は言いたくないのですが…(混むので)できたニキビは全て圧出します。
痛いけど確実にニキビは減っていきます。最初はビタミンA,B群の飲み薬で
肌を柔らかくして、AをなくしCに切り替えました。抗生物質も出してもらえ
るそうですが、私は他の病気で大量の薬を飲んでいるため、ビタミン剤だけ
頂いてます。
曜日によって先生が異なります。月・木は院長先生(女性)の診察日なので、
特に混みます。私は職場から近いため割と空いている時間に行けますが、
帰りは出口の外まで人が溢れています。それだけ信頼されているということ
なんでしょうね。
私のニキビはかなりひどい状態でした。顔全体コメドで象の皮膚のよう…
化膿したニキビも5個くらいありました。最初の診察は偶然にも院長先生だ
ったのですが、「あなたは治り易いタイプの皮膚よ」と言ってくださって、
本当に心の支えになりました。初診から最初の一週間は毎日ビタミン注射
を受けるように指導されます。今の私の皮膚は、頬のラインに少しニキビ
が残っていますが、それ以外はニキビがあったことなんて嘘みたいです。
弾力のある瑞々しい肌に戻ることができ、本当に感謝しています。
治療期間は6ヶ月(私は本当にひどかったので…)です。

◎みながわ皮膚科
新潟県上越市大和2丁目 Tel.025-527-4744
《病院コメント》
このサイトの皮膚科情報の評判とおりでした。
忙しい割にちゃんと見てくれる先生なので信頼できます。ただ、こんなに
抗生物質を飲み続けて大丈夫なのか?という不安はあります。

◎やましろ皮膚科/
沖縄県宜野湾市上原1−2−9 Tel.098-892-8105
《病院コメント》
薬は塗り薬とビタミン剤を貰ったとおもいます。薬の名前までは覚えてま
せんが、液体ですごく私には効果がありました。翌朝から一回り小さくな
ってるっていうか。でも、やはり個人差みたいで、ほかの人には効果がな
かったようです。にきびが酷い時には抗生剤も出してくれました。
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●クチコミ情報「抗生剤」(読者さんアンケートより)
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抗生剤の内服。時間はかかりましたが2ヶ月くらいでつるつるに。
その後半年位でまたニキビが再発してしまいましたが、よく効いたのはやはり
抗生剤の内服だと思います。
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●クチコミ情報「冷え性」(読者さんアンケートより)
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冷え性を治し、新陳代謝を良くすることでだいぶ改善しました。
半身浴でしっかり汗をかき、靴下を履いて寝るだけでも肌の状態は確実に良く
なります。以前は黄色い膿みをもつニキビに悩まされていましたが、いまでは
小さなニキビがポツポツあるくらいまでに減りましたよ。
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●クチコミ情報「恋愛?(ホルモンバランス)」(読者さんアンケートより)
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何故だかさっぱりわからないのですが、彼氏と旅行中は凄くニキビが減りまし
た。2泊3日のあいだに、かなりボコボコしていた肌が彼氏も驚くほどつやつや
に。ホルモンバランスを整えるのがやはり大切なのでしょう。
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●編集後記
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今回は大石先生にお願いして、抗生物質について書いてもらいました。
病院で処方された抗生物質に不安を感じて飲まない方や、処方されるがままに
数年飲み続けて、ガンジタになったというケースをよく聞きますが、抗生物質
自体は副作用も少ない薬ですし、短期的な服用はあまり問題にはなりません。
ただ、飲めば効くからという理由で何ヶ月も 連続で使うのは良くないです。
必要なときに、必要最低限、 というのが大切ですね。
保険の効かない、レチノイン酸やピーリングに比べ安価にできる治療ですし。
抗生物質でニキビの炎症を抑えている間にニキビの根本を治して、上手に
抗生物質を使いたいですね。
さて、先日私は誕生日を迎えてしまいました…。ついに三十路プラス…です。
歳を重ねる毎に、ちょっとうんざりしますが、このサイトを始めてから毎年
ニキビは改善に向かっています♪
誕生日に「おめでとう」メール&掲示板書き込みして下さった方、ありがと
うございました!いくつになっても、人に「おめでとう」と言ってもらえる
のは嬉しいですね。

 

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