各種治療法について
 
ニキビ治療の治療法についてまとめてみました。

●ビタミンC誘導体 ●ピーリング ●飲み薬 ●症状と治療法 ●漢方薬


ビタミンC誘導体
従来、ニキビはアクネ菌によって悪化するとされてきたが、その隠れた原因は活性酸素だった。
アクネ菌はポルフィリンという蛍光性の物質を皮膚表面に排出しており、このポルフィリンが紫外線に当たると大量 の活性酸素が発生する。この活性酸素で皮脂の酸化が進むと周囲の皮膚細胞を刺激して炎症を起こし、ニキビの原因になる。
活性酸素を消す働きをするのが抗酸化力の強いビタミンC。ほかにビタミンEなどの抗酸化物質もあるが、Cがニキビ治療に使われるのは、水溶性ビタミンであるためローションになるから。油に溶かさないと使えない脂溶性のビタミンEなどでは、油自体がニキビを悪化させる危険性がある。
ビタミンCのニキビに対する有効性は、活性酸素を消すことだけではない。Cの美白効果 でニキビ跡の色素沈着を防ぐ効果、皮脂の分泌を抑える効果もあるらしい。コメドの発生を予防する効果 も確認されている。
 
※ビタミンC誘導体については「効く成分」のページに成分の説明を載せてます。
「DEPOTヘルス&ビューティーケア」サイトのホームページの最新美容情報のページ
「ニキビ・吹き出物に新治療法!?」 にもビタミンC誘導体について詳しく載っています。

ピーリング
ピーリングはグリコール酸や乳酸などのAHAや、サルチル酸などを塗って、皮膚表面 の角質をはがす治療法。
病院の処置室で医師の慎重なチェックを受けながら、濃度の高い酸を顔に塗って、角質層に浸透させる。角質層の細胞間の接着力が緩むので、治療を受けたあと、1週間ほどで角質が自然にぽろぽろとはがれていく。
ピーリングはシワやクスミ対策に雑誌などで取り上げられているが、実はニキビ治療として行う場合に、一番効果 を発揮する。毛穴の入口の角質が厚くなって詰まっているという、ニキビの原因を直接取り除くのに、うってつけの治療だからだ。

ピーリングをすると、酸の働きで、異常角化した毛穴の出口部分の角質がはがれ、たまっていた皮脂がスムーズに外に出る。さらに、酸の刺激が表皮の基底細胞まで伝わって皮膚の新陳代謝も活発になるという。
ニキビ治療なら角質層だけのソフトなピーリングで十分。2〜3週間あきて3回以上すると、かなり良くなるそうだ。
約2ヶ月で効果が出ると言う。ニキビの芽となるコメドが新たにできるのを防ぐので、数回続けると新しいニキビができなくなって、ニキビの跡も消える。

ただし、ピーリングも万能ではない。肌の状態が悪い時にやれば、改善に向かうが、肌の状態がいいときにはかえって悪くなることが多い。
また、保険は適用されず、1回の料金は1万〜1万5千円の施設が多い。3回ピーリングを受けるとして、少なくとも5万円はかかる。それだけに、よく説明を受けて納得した上で治療を受けたい。安心してできるピーリング治療の条件を下にまとめたので参考に。

●なぜ必要かを十分に説明してもらう。
効果的な治療法だが、ほかにもレチノイン酸やAHAによるホームケア(ピーリングソープやローション)などの治療法はある。一気にピーリングをするのが自分に最適かどうか、よく説明してもらう。
●必要回数と費用を聞く。
1回きりのピーリングでは効果が薄い。最低3回以上とする医師が多い。ニキビが落ち着くまで何回必要で、いくらかかるかを必ず聞く。
●回数券の前払いは拒否する。
肌の質によっては、ピーリング治療が合わない場合もある。最初に10回分などを前払いすると、無駄 になる可能性もある。
●ピーリング後のスキンケア法をよく聞く。
角質層が薄くなるので、ピーリングの程度によっては紫外線へのケアが必要。また、保湿のためのスキンケアも必要になる。具体的にどのようにすればいいかをよく聞く。
●きちんと医師が様子を見守るかチェック。
治療中に、表皮が部分的に溶けてしまうこともある。対処が遅れるとトラブルを起こすので、医師の監視が常につくことを確認する。

処方薬
飲んで体の中から効かせて、コメドがひどい状態になるのを抑える方法。この治療は保険も効く。
治療のアプローチは、大きく分けて3つ。「皮脂を減らすこと」「炎症のもとになる物質を抑えること」そして「雑菌が入って化膿するのを防ぐ」ための薬剤を使うことだ。

まず第一の、皮脂を減らす治療。皮脂が多いのは、男性ホルモンの影響だといわれる。女性でも若い時期には、男性ホルモンが多くでている場合があり、『メサルモン-F』という薬がよく使われる。うぶ毛が濃い女性などには、効果 が上がるそう。
第二は、ニキビが炎症を起こす元になる皮脂の分解を抑える治療。使われるのは『ミサイクリン』という抗生物質。抗生物質は細菌に効く薬だとされているが、この薬の場合には目的が少々違う。皮脂が分解されると、それが毛包を刺激する。この分解を抑える働きがミノサイクリンにはあるのだ。
そして第三は、雑菌によってニキビが化膿するのを防ぐ治療。化膿のもとになりやすいブドウ球菌によく効く『マクロライド』というタイプの抗生物質がよく使われる。炎症がひどくなったニキビには、外側から手がだしにくい。化膿を防ぐためにはこうした飲み薬の利用価値が大きい。

いずれの薬剤も、コメドが炎症を起こす過程や、炎症性のニキビが化膿してさらに悪化するのを防いでくれる。
塗って治すレチノイン酸やAHAとこれら飲み薬を併せて使うことで、ニキビの原因を元から断つことが可能。

◎「ミノマイシン」

 リパーゼの働きを抑えて遊離脂肪酸ができるのを防ぐ。
◎「メサルモン-F」
 ホルモン薬で、皮脂の分泌を抑えるために使う。
◎「ルリッド」
 マクロライド系抗生物質で、化膿を防ぐ。
◎「アクアチムクリーム」「アクアチムローション」(※外用薬)
 抗生物質ニューキノロンで、広い範囲の細菌を抑えるのに有効。
◎「ダラシンローション」「ダラシンゲル(※外用薬)新薬!オススメ!!
 リンコマイシン系。赤く炎症をおこしたニキビや化膿したニキビに有効。
◎「シナール(ビタミンC剤)」「フラビタン(補酵素型ビタミンB2剤)」ビタミン剤
 ニキビ跡の原因となる色素沈着の改善や、ニキビの原因である皮脂の過剰分泌抑制。

※飲み薬(抗生物質)については「抗生物質について」のページにも詳しく載せています。

ニキビの症状と治療法
症状
従来の治療法
最新の治療法
角質が厚くなる イオウカンフルローション レチノイン酸、
ピーリング(AHA)
炎症(遊離脂肪酸のため) 特になし ミノサイクリン
(リパーゼをおさえる)
炎症(活性酸素のため) 特になし ビタミンC誘導体
炎症(細菌のため) マクロライド薬 マクロライド薬、
ニューキノロン薬
皮脂が増える 生活指導 ホルモン治療
アクネ菌が増える 洗顔 アクアチムクリーム

漢方薬
漢方では、病気を全身の「気・血・水」のバランスの乱れによって起こると考える。皮膚の病気であっても、からだのバランスの乱れのあらわれとしてみなす。なので、皮膚疾患における漢方治療の目的は、からだ全体の調子を整えることにある。
西洋医学ではニキビには、菌の感染を抑えるために抗生物質のクリームを塗る。また、炎症が強い時は抗炎症薬も使うことがある。内服薬としては、ビタミン製剤(ビタミンB2やビタミンB6)を服用するほか、炎症反応が激しいときは抗生物質の服用も考える。
漢方治療では、ニキビの状態と体質を考慮して、処方を選ぶ。下の図は代表的な処方。また、便秘がある場合は「大黄甘草湯」などの便秘に対する漢方処方も併用する。

抗菌剤、抗生物質のクリームやローションなどで炎症反応を抑えながら漢方薬で体質を整えるといった西洋薬との併用も効果 的。治療を初めて2ヶ月ほど経過を観察し、改善傾向がみられない場合は、他の処方を考える。ただし、ニキビが治る前に体質が改善していることもあるので、効果 判定は全身の状態を観察して慎重に。

皮膚疾患でよく使われる漢方処方
体 質
症 候
処 方
●化膿傾向(局所の痛みあり)、便秘、冷え、のぼせ感、顔が赤黒い傾向、ときに下腹部圧痛顕著。 桃核承気湯
(トウカクジョウキトウ)
●化膿傾向顕著、皮疹の先が先鋭化、便秘=軽度〜なし、下腹部圧痛=なし、冷え=なし。 清上防風湯
(セイジョウボウフウトウ)
●化膿傾向、顔面以外にも化膿巣を認めるもの。 十味敗毒湯
(ジュウミハイドクトウ)
●化膿傾向、慢性鼻炎を伴うもの。 荊芥連翹湯
(ケイガイレンギョウトウ)
●皮疹は赤黒く、月経時悪化傾向がある、月経異常・下腹部圧痛を伴うもの。 桂枝茯苓丸加ヨク苡仁
(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)
●皮疹は赤みが弱い、貧血傾向、冷え性。 当帰芍薬散
(トウキシャクヤクサン)

 

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